ペーター・シュナイダー指揮東フィル(2回公演の初回)
○2009年1月29日(木) 19:00〜21:05
○東京オペラシティ・コンサートホール
○3階R1列14番(3階ステージ上手側バルコニー1列目ステージのほぼ真上)
○ベートーヴェン「交響曲第4番変ロ長調」Op60(約35分、第1,3,4楽章繰り返し実施)(14-12-10-8-6)
ワーグナー/ヘンク・デ・ヴリーガー「ニーベルングの指環」〜オーケストラによるアドベンチャー〜(16-14-12-10-8)
(下手から1V-2V-Vc-Va、CbはVcの後方)
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シュナイダー招聘コーチの特訓
最初に書いておくが、ペーター・シュナイダーは僕の大好きな指揮者の1人である。現在では数少ない職人肌の指揮者で、派手さはないが安心して聴ける。この日は後半に彼の得意な「指環」も取り上げ、東フィルにとっては来月と再来月に上演予定の新国「ラインの黄金」「ワルキューレ」をにらみ、「キャンプイン」して「招聘コーチによる特訓」という意味合いもあるのだろう。9割以上の入り。
ベト4第1楽章、静かに始まるが、2小節目以降の弦のフレーズなどおどろおどろしい感じはなく、きっちり弾かせている。35のクレッシェンドも強引な感じでなく、スムーズに第1主題に入る。テンポは標準的。104〜106のVaとVcのフレーズを、これらのパートを強調するのでなく103でVを素早くディミニエンドさせることで結果的に浮き立たせるところなど、さすがである。どこかのオケのシェフにも見習ってもらいたいものだ。241以降、249以降などのffでも柔らかい響き。
第2楽章、クライバー名身の速いテンポで少しびっくり。しかし2Vのフレーズが16分音符と32分音符の組合せであることを考えれば、これが本来あるべきテンポなのかも。しかも速いテンポのおかげで1VやFlなどのメロディ・パートは歌いやすくなっているのも間違いない。変ホ短調になる50以降もあまり深刻な響きにならない。その代わり83以降のClソロはゆったり歌わせる。
第3楽章、速めのテンポだが攻撃的ではない。79〜80、82〜83などでVとVaのトレモロをあまり大きくせずに低弦のメロディを浮き立たせようとしているが、席のせいもあるのか、あまり目立たない。トリオもほとんどテンポを変えない。最後の音の手前、395〜396のHrをゆっくり吹かせる。
第4楽章、標準的なテンポで極端に速くない。したがって弦のフレーズの粒立ちがよい。36の1VのディミニエンドもObのソロへ自然に受け渡している。66〜69などのsfもあまり鋭くやらせない。終盤のクライマックス、311の4拍目から始まる和音を312に入ってから楽譜通りffへと音量を上げる。348のFg、続くVaとVcのフレーズはゆっくり。シューマンが例えたとおり「ギリシャの乙女」を連想させる優美な演奏。
後半の「指環」はオランダの作曲家、打楽器奏者のヴリーガーが91年に編曲したものだそうだ。
�機〜袷婉�
通常「指環」の抜粋と言うといきなり「ヴァルハラ城への神々の入場」や、ひどい時には「ワルキューレの騎行」で始まったりするものだが、ちゃんと「ラインの黄金」の最初の音から始めてくれるのがありがたい。
�供.薀ぅ鵑硫�金
乙女たちによる黄金賛歌の部分。
�掘.法璽戰襯魯ぅ�
しかし賛歌は急速にしぼんで地下帝国の不気味な響きへ。金床の連打をわざわざ入れるところなど、打楽器奏者らしい選択。3人がかりで演奏しているのを初めて知った。
�検.凜.襯魯蘊襪悗凌澄垢瞭�場
雷雨の後に城へ向かって虹がかかるシーン。しかし、乙女たちの嘆きの歌が入る前に静かになり、次の曲へ。
�后.錺襯�ューレの騎行
これも一応クライマックスまで行くが、通常の演奏より短め。
�此)發留蠅硫山�
ピッコロなどによる炎のモチーフにトライアングルが入るという記憶があったのだが、実際には横に渡した金属の棒?をトライアングルのバチ2本で叩いていた。これも新たな発見。ヴォータンの「私の槍の先を恐れる者は、この炎を決して越えてはならぬ」の歌の部分は出てくるが、これも途中で静かになり、次の曲へ。
�察/垢里気気笋�
先のシーンの音が残った状態で始まる。ここも通常より短め。
�次 ̄冤坤検璽�フリート
角笛のテーマに始まり、ファフナーとの決闘シーンも出てくる。
�宗.屮螢絅鵐劵襯任量楹个�
ジークフリートが小鳥に導かれて岩山に到着するまでの音楽を経てブリュンヒルデの目覚めのシーンへ。
�勝.検璽�フリートとブリュンヒルデ
上記の音楽がいつの間にか「黄昏」序幕第2場の音楽へつながり、2人の愛の二重唱が始まる。
�将機.検璽�フリートのラインの旅
それもいつの間にか二重唱の終盤へ飛んで、ラインの旅の音楽となる。ここはほぼオリジナル通りに進む。
�将供.検璽�フリートの死
またもオケが静かになってハーゲン、グンター、ブリュンヒルデの三重唱の部分を経てジークフリートが殺害される場面へ。
�将掘〜鯀�行進曲
これはほぼオリジナル通り。
�将検.屮螢絅鵐劵襯任亮�己犠牲
「飛んで変えれ、からすたちよ」の前の槍のテーマ(金管による下降音階)から最後まで。
つなぎが強引なところやカットし過ぎに感じるところもあるが、それでも全体で65分ほど。ぶっ通しで弾くのはなかなか大変である。シュナイダーは全体的に速いテンポで音楽の流れを重視した指揮ぶり。「ブリュンヒルデの目覚め」で1Vを歌わせるところなどは美しく、思わず聴き惚れる。その一方でジークフリートとファフナーの決闘シーンや葬送行進曲のクライマックスなど盛り上がる部分も迫力十分。終始Hrの音程が不安定だった以外は充実した演奏。
しかし、そんなこちらの思いが伝わったのか、カーテンコールではHrの首席だけを立たせた。そんな気配りも含め、職人芸を堪能。
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